2017上半期Top10

 

最初は「ノーベル2017年上半期良かったダンスミュージックで賞」っていうクソみたいなタイトルだったんですけどふざけすぎだなと思ってやめました。

 

 

 

DJやってたらこういうのをミックスとしてアップするんでしょうけど、自分はそういうことが出来ないので文章という形でまとめたいと思います。

タイトルの通り、2017年上半期にリリースされた曲の中から好きだった10曲をランキングにしました。早速見ていきましょう。

 

 

 

 

 10. Daniel Kandi vs. Witness45 - Yangtze River

 皆さんご存知Always AliveのボスであるDaniel Kandiとアップリフト界期待の若手の一人であるWitness45のコラボです。すっきりしたサウンドと哀愁感漂うリフが大好きなのですが、なによりも聴いた瞬間にDaniel Kandiだとわかるベースの音が本当に好きです。こういう「アーティストの濃い色合い」が大好きで、それゆえにあちこち手を出してサウンドに統一性のないアーティストよりもずっと変わらず同じスタイルを貫くアーティストを好みがちです(Above & Beyondはどうなんだというツッコミはなしでお願いします)。余談ですがWitness45という名義がAnswer42とめちゃめちゃ被って混乱してしまいます。

 

 9. Moon Boots feat. Lulu James - Tear My Heart

Moon BootsがAnjunadeepからリリースした曲です。テックハウスとプログレッシブハウスの中間みたいな曲ですが、最近のAnjunadeepらしい綺麗さとハウスのグルーヴが大好きです。昨今のAnjunadeepは親レーベルのせいなのか、メロディを重視する点や構成にかなりトランスの影響を感じ、ディープ/プログレッシブハウスという枠の中でかなり独自色が強まっているように感じます。曲もさることながら、アートワークが特にお気に入りで、黄色とハートという自分の好きな要素が2つも使われているのです。本当に一目惚れでした。

 

 8. ATHOM - Circuits

続いてはAndea Musicという出来て間もないレーベルから、これまた活動を始めてまだ2年目という新進気鋭のATHOMがリリースした曲です。ブレイクで入るプロッギーなシンセとストリングスの絡みで攻めてくるのかと思いきや、ドロップでは一転してファットで力強いリードシンセが主役として登場する、非常にクオリティの高いプログレッシブトランスです。このATHOMというアーティスト、歴は浅いながらFreegrantやMacarize、Nanostateなど(プログレッシブトランスでは)一定の地位があるレーベルからリリースを重ねており大変将来が有望です。Andea自体もまだ4曲しかリリースされていないにもかかわらず、なんとAbove & BeyondやShane 54、そしてPaul van Dykなどにサポートされており、こちらも目が離せません。注目している若手なので文章長めになりました。

 

 7. Dave Pad & Anjei - Freya

超超超綺麗なディープハウスです。しっとり落ち着いた雰囲気がちょうど梅雨にぴったりではないでしょうか。メロディらしいメロディがなくて聴いてて疲れにくいので流しっぱなしにするのに結構向いていると思います。

 

 6. Grum - Shout

はい、Anjunabeatsです。Grumはどんどんクオリティ高くなっててびっくりしますね…。Anjunabeats Vol.13で聴いた時は全然パッとしない印象だったのが、聴き続けるうちに化けて大好きになりました。大してすごいことしてないように思えるのにここまでかっこよく感じさせるのはすごいことだなと思います。余談その2ですが、この曲、最初はTears For Tears - Shout (Grum Remix)という扱いだったのになぜかGrumの曲扱いに変わっています。そのあたりの経緯は一切わかりませんが、なんとなくリミックス扱いのほうがかっこいい気がするのは自分だけでしょうか。

 

5. Above & Beyond & Justine Suissa - Alright Now (Above & Beyond Club Mix)

はい、A&Bです。1位じゃないの?と思う方も居るかもしれません。ABGT200でワールドプレミアされて以降聴きまくったので新鮮さとかそういう点でこの位置です。曲に関しては本当に文句なしです。音も詞もメロディも何もかもがAbove & Beyondそのもので本当に素晴らしい。名義に関してはおそらくアルバムにオリジナル版が入るということでOceanLabではなくA&B & Justineなのでしょう。Little Somethingと一緒ですね。

 

4. Maywave - Matthew (Kyau & Albert Remix)

リミックスですけどKyau & Albertの最高傑作ではないでしょうか。2015年にAnjunabeatsから久しぶりのリリースを果たして以降の作風は本当に好きで、昨年はASOT Top20にもランクインしているので支持されていることは間違いないと思われます。

 

 3. Solarstone & Meredith Call - I Found You (Giuseppe Ottaviani Remix)

メロディの爽快感!リズムの疾走感!アップリフトの完成形!と声を大にして言いたくなります。原曲がSolarstoneでリミックスがOttavianiという組み合わせで失敗するはずがありませんね。昨今流行りのテック・サイケ系のトランスよりもアップリフトの方が好きなんだと再確認させてくれました。僕の中でのトランスは両手を広げてこそ、です。

 

2. Late Night Alumni with Kaskade - Love Song (Myon Definitive Club Mix)

僕はLate Night Alumniというグループが大好きです。ポップな作風に惹かれたという点もあるのですが、何よりもボーカルであるBecky Jean Williamsの持つ、おとぎ話のようにドリーミーで甘い声が好きなのです。この曲でもその美しい声は余す所なく伝えられており、ブレイクでは存分に彼女の世界を堪能できるでしょう。そしてそんなLNAをリミックスしたのはMyonです。Myon & Shane 54としての活動は昨年で区切りを迎え、今年からはソロで精力的に活動しています。解散したことで以前の"Summer Of Love Mix"ではなくなってしまうのでは、と不安に感じた時期もありました。しかしそんな心配は全く杞憂であり、Myonのサウンドは以前と何ら変わっていませんでした。

 

 1. Myon feat. Alissa Feudo - Omen In The Rain (Myon Club Mix)

というわけで上半期で最も好きな曲はこの曲です。Myonとしてのリスタートを飾る記念すべき一曲であり、本人も相当気合が入っていたのでしょう。個人的には過去のどの曲よりも好きです。少しハウスらしさを感じるダンサブルなリズム隊、ブレイクでの圧倒的なストリングスの重なり、Alissa Feudoが歌い上げる切ない歌詞、そして今までのどの曲よりもエモーショナルな響きを持つシンセリフ。この曲もABGT200でワールドプレミアでしたが、何度聴いても没頭してしまいます。彼がA&Rを務めるRide RecordingsからはEskaiという注目株がブレイクしつつあり、この曲のリミックスでAnjunabeatsからのデビューを果たしました。また、Above & Beyond公式RedditでのAMA(Ask Me Anything)では「時期は未定だけどアルバムも制作している」との回答があったので、こちらも本当に期待度が高まります。作曲とレーベル、どちらも安定したクオリティを見せ続けるMyonというアーティストのこれからも変わらぬ活躍を楽しみにしています。

 

 

以上が上半期のダンスミュージックトップ10でした。やはりというかなんというか偏ってますね。もう開き直ってるので気にはしてないんですが…。正直に言うと、Spotifyのおかげでダンスミュージックよりもポップスを聴くのが楽しい時期が続いていて、ポップスで新たに好きなアーティストをたくさん見つけられたもののダンスミュージックはちょっと惰性になってた面があるかもしれません。まともに聴き始めて5年目になるので仕方ないところかもしれませんが、好みもかなり硬直化していてどうにかしたいな、というのが最近のちょっとした心配事です。下半期もおそらくSpotifyという夢の箱をひっくり返して新しいアーティストを見つけて、ダンスミュージックはいつものやつだけ聴くというスタイルが続くような気もしますが、シーンの動向のチェックは欠かさないようにしたいです。年末には下半期トップ10と一緒に去年もやったチャートまとめをまたやりたいと思っているので、またよろしくお願いします。